夏もそろそろ終わり、それぞれほんのちょっとずつはいいこともあったけれども雨に降られ放しのこれまで二回の信州遠征・・・「二度あることは・・・」などとは考えずまた出かけました。甲府の先の入笠山、今度は相棒のHenk氏と一緒です。 mats

蝶を見ていると、造物主、あるいはそれに類するものが存在したとして、いったいなにゆえこの生きものをこれほどバラエティーに富んだデザインにしてこんなに美しく複雑な配色に造りあげたのかと不思議でなりません。クジャクチョウもそんな思いを強くする蝶のひとつです。上はマツムシソウとクジャクチョウ。

学名、Inachis io(イナコスの娘イオ) のイオはギリシャ神話に出てくるゼウスが見初めた美しい娘の名前であり、日本産を含む東アジア亜種はこれにさらにgeisha(芸者)が付け加えられているのも何やら象徴的。黄色や白の花も訪れますが、特に薄紫のマツムシソウが好みのようで入笠山のお花畑にマツムシソウが目立つようになる頃にはクジャクチョウがその数を増やします。往く夏を惜しむかのようにマツムシソウを次から次へと飛び回りながら吸蜜するその姿は、何回撮影しても飽きることがありません。赤い羽のデザインポイントでもある精緻な青い眼状紋が四つとも見えるように撮りたいのですが後羽の二つは蝶の気まぐれでなかなか見せてくれません。下の2枚はそれぞれゴマナで吸蜜するクジャク、マツムシソウに飛来するクジャクです。

そして、今回の遠征には大きなオマケがつきました。昨年撮り残したキベリタテハです(一番下の写真)。今年もダメかと半分諦めて山道を歩きながら、「このあたりはダケカンバ(キベリの食樹)がないから無理かな」などと話しながらも先の方に一本だけ見つけたダケカンバ・・ジャノメチョウの類が何頭か樹液に来ていたのでHenk氏がなにげなく樹皮に手を触れると、まさにそこから大きめのタテハチョウが驚いたように飛び立ち暫く飛び回って砂利道にとまりました。キベリタテハです!羽を閉じてとまっているので、ゆっくりと体を移動して蝶を私の影で覆うとゆっくりと開いてくれました。新鮮なキベリ!濃い茶をベースにその名前の由来、黄色の縁取りと青く輝く紋列が印象的です。クジャクチョウにも決して負けてはいません。かくして、撮りたいものは全て撮れました。祝勝会は帰りの特急「あずさ」の車中だけでは終り切らず、帰宅してからも続きました。  参考 蝶百科図鑑 クジャクチョウ

 

 

 

10+